Monday, December 15, 2008

知らない児童にがく然

J2C大阪の日本代表MF香川真司(19)が、あまりの知名度の低さにがく然とした。15日、大阪市の南住吉小学校で“1日先生”を務めた。「平成生まれ初の日本代表」として今季、一躍脚光を浴びた香川だが、実際にそのプレーを見たことがあるのは参加児童150人中たった5人…。「ショックだった。もっと有名にならないといけない」。日本代表でのレギュラー奪取とC大阪のJ1昇格をあらためて誓った。

 オレってこんなに知られてへんのか~。小学校を訪問した香川は、がくぜんとした。司会者が「香川選手のプレーを見たことある人は?」と問いかけると、小学6年の児童150人の中で、わずか5人しか手があがらなかった。「もう帰ろうかな~」と、ショックの大きさを冗談で取りつくろった。

 今季4月に日本代表に選出され、8月の北京五輪にも出場した。それなのに、あまりに厳しい現実…。「テレビで(陸上の)朝原選手が同じようなイベントに参加した時は、大人気やったのに…。来年、代表でレギュラーになって、C大阪もJ1に上げて、もっと有名になります」と苦笑いするしかなかった。

 そのうっぷん? は、試合で晴らした。「僕たちのチームに勝てば、冬休みの宿題はなくなります」と“提案”し、大拍手で受け入れられると、燃える小学生たちをあざ笑うようにドリブルで5人抜き。豪快にゴールを決めて、大きくガッツポーズした。「大人げない~」とブーイングされたが「これは定番なので」とニヤリ。既にチーム残留を決断。「みんなに知られるような選手になりたい」とあらためて誓った。20歳になる来季は、だれからも知られるスターになる。【奈島宏樹】

日刊スポーツ

まぁ仕方ナイですね

Friday, December 05, 2008

生まれて転職

◇患者100万人…重症者は働けぬ現実がある
 微量の化学物質に反応して体調を崩す「化学物質過敏症」と診断された川崎市の女性(31)が先月、障害年金の受給を認められた。病気の社会的な認知度が低いうえ申請手続きが煩雑なこともあり、支援団体によると受給が明らかになったのは初めて。「多くの人に希望を与える画期的な決定だ」と高く評価している。【袴田貴行】

 女性は川崎市の新築マンションに転居した91年ごろから目まいや倦怠(けんたい)感などの体調不良を訴え、02年1月に化学物質過敏症と診断された。現在は1日数回、発作で1時間以上にわたって呼吸困難に陥るため、母親(57)が付きっ切りで看病する。

 また、女性は化学物質から遠ざかる転地治療のため、年に数十回、標高1300メートルの長野県の山中に作ったテントに避難する。周囲の畑で農薬が散布される時期になると、山中でも発作が起き、安全な場所を求めて移動を繰り返す。

 長野の土地購入費用や交通費で出費がかさんだため、昨年6月、社会保険労務士のNPO法人「障害年金支援ネットワーク」(奈良県斑鳩(いかるが)町、電話0120・956・119)に相談。川崎市を通じ、高津社会保険事務所に申請したところ、今年11月、片手や片足を失った人と同等の「障害等級2級」と認定され、月額約6万6000円の障害基礎年金を受給できることになった。

 NPO法人「化学物質過敏症支援センター」(横浜市中区)の広田しのぶ事務局長は「重症者は働けない上、水や食べ物、転地費用に非常にお金がかかり、経済的に困窮している。支給決定には、みんなが元気づけられる」と評価。

 障害年金支援ネットワークの藤井雅勝理事は「申請手続きは煩雑で、個人でやれば挫折する可能性も高いが、あきらめずにプロの社会保険労務士に相談してほしい」と呼びかけている。

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 ■ことば

 ◇化学物質過敏症
 住宅建材や日用品に含まれるホルムアルデヒドや有機化合物などの化学物質が原因で、頭痛や倦怠感、呼吸困難などを発症する環境病。「シックハウス症候群」も含め、患者は100万人に達するといわれる。重症の場合、ほとんど外出できず日常生活は困難だが、見た目は健康なため「神経質」「わがまま」などと誤解されることも多い。

毎日新聞 2008年12月5日 東京夕刊

元気に生まれるって、大変なことですよね。